書類データ化の方法は?メリット・デメリットも合わせて解説
毎日の業務の中で、文書などの書類や資料は増える一方です。
DXが進んだ近年では、書類のデータ化を検討する企業や事業所が増えてきました。
しかし、書類のデータ化にはさまざまな方法があり、費用も異なります。
また、書類のデータ化によって、業務がどのように変わるのかを把握することも大切です。
この記事では、書類をデータ化する方法や、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
データ化の注意点や費用相場についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
書類をデータ化する3つの方法とは
書類をデータ化する方法には、大きく分けて以下の3つがあります。
- 自社内のコピー機や複合機でスキャン
- セルフスキャンサービスを使う
- 代行業者に委託する
では、1つひとつ説明しましょう。
方法1.自社内のコピー機や複合機でスキャン
自社内のコピー機や複合機でスキャンする方法は、費用を抑えられるのが大きなメリットです。
作業を行うのは自社の従業員なので、作業内容は従業員が個々に判断できる場合が多いでしょう。
また、社内で完結する為、情報漏洩のリスクもありません。
しかし、デメリットとして従業員の労力が必要になります。
また、書類スキャンのためにコピー機を独占してしまうため、他業務にも支障をきたしてしまう場合も。
書類の量が膨大になると本来の業務に支障をきたしてしまうため、データ化する書類が少ない場合に有効な方法だといえるでしょう。
方法2.セルフスキャンサービスを使う
自社内にスキャン機能のある機器がない場合は、セルフスキャンサービスを使うという方法もあります。
業務用の機器は大型なので、小さなオフィスでは導入できないケースが多いからです。
自社の従業員がセルフスキャンサービス店舗でデータ化を行うため、文書などの情報漏洩の心配がないのはメリットでしょう。
ただし、セルフスキャンサービスを利用するためには、書類や資料を店舗まで運ぶ必要があります。
書類を運んだり作業を行ったりするための人件費や交通費がかかるのが、大きなデメリットですね。
方法3.代行業者に委託する
書類のデータ化を、代行業者に委託するという方法もあります。
費用はかかってきますが、1冊につき100円未満の料金でデータ化できる業者も多いので、自社内で行う場合の人件費等を考えると、かえって安くつく場合もあるでしょう。
データ化の作業に慣れていない自社の従業員が行うよりも、はるかに速いスピードで高品質なものが納品されるのも、メリットだといえますね。
また、文書のスキャンに加えて管理まで行っている業者も存在します。
デメリットとしては、やはりコストがかかることです。
対応可能な書類のサイズも、業者によって異なります。
費用や様々な条件についてよく確認してから、業者に頼む事をおすすめいたします。
費用はかかりますが業務はかなり効率化できるため、データ量が多い場合は業者への委託を検討してみてはいかがでしょうか。
書類をデータ化するメリット
前章では、書類をデータ化する方法を紹介しました。
ところで「書類をデータ化するメリットは?」と、改めて疑問に思うかたもいらっしゃるでしょう。
メリットは以下の4つです。
- スペースを節約できる
- 文書などの書類を探すのが楽になる
- 書類や写真が劣化しない
- 他者との共有が可能になる
では、順に確認していきます。
(1)スペースを節約できる
メリットとして最初に頭に浮かぶのが、スペースの節約ではないでしょうか。
紙媒体の書類や資料は、オフィスの空間をどんどん占領していきます。
新たに棚やロッカーが必要になると、スペースだけでなく経費もかかってくるでしょう。
もちろん、管理も大変です。
データ化することで膨大な書類を保管するためのスペースが不要になることは、大きなメリットですね。
(2)文書などの書類を探すのが楽になる
データ化することで、様々な文書や資料、写真などを探すのが非常に楽になります。
なぜなら、これまでは事務所内を歩き回って探していたのが、PCで検索するだけで見つかるようになるからです。
書類を探すための労力や時間が不要になるため、仕事の効率がアップするに違いありません。
(3)書類や写真が劣化しない
データ化された書類には、劣化しないというメリットがあります。
紙媒体の書類や資料は、どうしても時間と共に劣化していくからです。
自然劣化だけでなく、水に濡れたり汚れたりする場合もあるでしょう。
しかし、大切な書類ほど長期にわたって保管が必要な場合が多いといえます。
その点、電子化されたデータは劣化することがないため、安心して保管しておけますね。
(4)他者との共有が可能になる
書類をデータ化することで、他者との共有が可能になるのもメリットです。
紙媒体の資料を従業員や他社と共有するには、コピーなどで、部数を増やす必要があるからです。
しかし、データ化することでメールに添付したりクラウドにアップしたりして、簡単に共有することが可能になります。
書類をデータ化するデメリット
次に、データ化におけるデメリットを考えてみましょう。
デメリットとしては以下の3点があります。
- コストがかかる
- システム障害のリスクがある
では、順に見ていきましょう。
(1)コストがかかる
データ化を社外に委託する場合、当然のことながら費用がかかってきます。
また、自社内でデータ化する場合は一見低コストに見えますが、従業員にかかる労力や時間を人件費で考えると、決して安いとはいえません。
コストについては、社内でデータ化を行う場合のリスクや業務委託する場合の費用などを比較検討して、慎重に考える必要があります。
(2)システム障害のリスクがある
データ化された書類はサーバーやクラウドで保管されるため、システム障害が起きると閲覧できなくなる危険性があります。
システム障害だけでなく、社内のパソコンが故障したり、ネット接続が不安定になったりするリスクも。
データを守るには、バックアップをしっかり取っておくことが不可欠だといえるでしょう。
また、代行業者の中には指定期間バックアップをとっている業者も。
もしシステム障害で閲覧できなくなった場合は、スキャン依頼をした代行業者に連絡すれば再度データを送付してもらえる場合もあります。
書類データ化における注意点は?
書類をデータ化する際には、以下の点に気を付けましょう。
- 新しいシステムが必要になる
- 紙のデータが必要な書類もある
これまで書類で管理していたものをデータ化すると、仕事の流れ自体が変わってきます。
そのため、場合によっては大掛かりなシステムの変革が必要になる可能性もあります。
また、重要な資料の中には、紙で保管しておくことが必要なものもあります。
特に法律上の問題で、紙でないと認められないものには要注意です。
紙で残すものは、事前にしっかりと分類しておきましょう。
書類をデータ化する際の費用相場はいくら?
書類をデータ化する際の費用の相場は「A4サイズの白黒で1枚6円程度」です。
ただし、たとえ1枚が10円以上であっても、費用の中に書類のカテゴリー分けや、管理システムなどが込みになっている場合もあるでしょう。
単純に単価だけを見て決めるのではなく、見積もりを依頼して細かいサービス内容を確認することが大切です。
書類データ化を外部委託する場合の業者の選び方
書類データ化を依頼する業者を選ぶ際は、書類の電子化に関する法律を熟知している業者を選びましょう。
なぜなら、書類の電子化は「e-文書法(電子文書法)」と呼ばれる法律によって、要件が定められているからです。
もしこの法律を守らずに書類の電子化を行うと、法的に正式書類として見なされない場合があります。
外部委託する際は、書類のデータ化についての法律をしっかりと理解している業者を選び、セキュリティ対策が整った業者を選ぶことも重要です。
業者のホームページを確認し、プライバシーマーク、ISO27001、ISO9001:2000などの認証をチェックしておくようにしましょう。
まとめ
業務の効率化、スペースの確保といった課題に取り組む際、紙媒体の書類や資料などをデータ化する作業は、避けて通れなくなったといえるでしょう。
社内でデータ化を行う方法も紹介しましたが、よほど小規模な場合でないと、従業員だけで行うのは難しいです。
外部業者に委託する場合は、単価だけでなくオプション費用や、法律に基づいた電子化が行えるかなど、多角的に考えて決めることが大切だといえます。
この記事が、書類のデータ化を検討している方々の参考になれば幸いです。